茎茶(棒茶)のことを意外と知らない方も多いので、今回は茎茶について徹底的に深掘りして説明をしていきます。
茎茶の特徴
- 茎を主成分とする: 茎茶は、通常の茶葉を使用する煎茶と異なり、茶樹の茎を主要な成分として利用します。通常、煎茶は茎を取り除いて茶葉だけを使用しますが、茎茶は茎を含むため、独自の風味と特性を持っています。
- 甘みと優しい風味: 茎茶は通常、甘みがあり、渋みや苦味が少ない特徴的な風味を持ちます。茎部分に含まれるアミノ酸の成分テアニンが、この甘みを引き立てます。
- 低カフェイン: 通常、茎茶に含まれるカフェイン量は通常の煎茶よりも低い傾向があります。茎自体には茶葉よりも少ないカフェインが含まれるため、カフェイン感受性の人やカフェインを制限したい人に適しています。参考文献 (茶研報78:61~65,1993)
- 独自の風味: 茎茶は、茶葉の風味とは異なる独自の風味を提供します。茎部分の成分が風味に寄与し、新鮮で優しい味わいを楽しむことができます。
- 環境にやさしい: 茎茶の製造過程では、通常の茶葉製造の副産物である茎や茎葉を有効活用するため、持続可能な製品としても評価されています。
茎茶は、日本の茶文化において伝統的な飲み物であり、その特有の特性から茶好きな人々に支持されています。特に甘みと低カフェイン含有量が、茶を楽しむ上で魅力的な要素となっています。また熱いお湯でも美味しく飲めるのが、茎茶の特徴です。
茎茶の味について「まずい」という声もあるけど?
通常の茶葉と異なり、茎茶は茶葉の茎部分を主成分としています。そのため、香りや味わいが独特で、慣れ親しんだ煎茶とは違う、予想外な新しさに戸惑うこともあるかもしれません。
茎茶の特徴として挙げられるのは、穏やかな味わいです。通常の煎茶に比べて渋みや苦味が少なく、柔らかで口当たりの良い味わいが広がります。初めて飲む方にとっては、これを「まずい」と感じるのかもしれません。しかし、何度となく飲んでいると、その穏やかな風味に魅了され、また飲みたくなる美味しさに気付くことでしょう。
次に、「まずい」と感じる理由には、香りの変化もあると思います。通常の茶葉とは異なり、茎茶は茎の部分に特有の香りがあります。これが香りの好みによっては、美味しくないと感じでしまうのではと思います。それもまた茎茶ならではの個性と言えるでしょう。逆にこの茎茶ならではの香りに癒される方も多く、煎茶に慣れ親しんだ方は、時間をかけて香りに触れ、少しずつその奥深さを楽しむのがいいですね。私は茎茶の特徴こそが、お茶本来が持っている「生」のおいしさと理解しています。
また、茎茶の魅力はその淹れ方にもあります。茶葉がメインの煎茶に比べ熱いお湯でも茎茶は美味しく飲めます。茎の部分は熱いお湯でもおいしさを損なわず、抽出できるからなんです。もし初めての一杯が「まずい」と感じられた場合でも、通常の温度より熱めでいれてみてください。これによって茶葉の渋みや苦味を抑え、穏やかで飲みやすい味わいに仕上がります。淹れ方や濃さを変えることで、自分好みの味に調整できますよ。特に深蒸し茶(収穫した茶葉を蒸気で長く蒸したお茶)からの茎茶は甘みも強く、濃く入れても苦くないので、おすすめです。
最後に、いつも飲んでる煎茶との違いに「まずい」と思う方は、オープンマインドで飲んでみてください。新しい飲み物に対する期待や先入観を捨て、茎茶独自の旨味や香りに触れてみることで、その価値を見いだすことが、きっとできます。初めての一杯は挑戦的かもしれませんが、その先に広がる茎茶の奥深い世界をおおいに楽しんでみてください。
茎茶は水出しでも美味しくリラックス効果が!
水出し茶には、茎茶に含まれる特有の成分であるテアニンも効果的に取り入れられます。テアニンはアミノ酸の一種で、主に茶葉に存在し、リラックス効果や注意力向上など様々な効能が期待されています。
水出し茶においても、テアニンは茶葉から水に溶け出し、液体に柔らかで穏やかな風味をもたらします。この効果により、水出し茶を飲むことで日常の疲れやストレスを軽減し、リラックスした気分に誘います。夜寝る前に飲む際も、テアニンが持つ穏やかな効果が眠りを助けるかもしれません。
また、テアニンはカフェインと組み合わさることで、リラックスと共に集中力や注意力も高めるとされています。これが水出し茶に含まれるテアニンの利点であり、爽やかであると同時に、気分をリフレッシュさせることが期待できます。
テアニンの他にもカテキンやミネラル、ビタミンなど、茎茶の様々な栄養素を、水出しで手軽に摂取できる点が魅力です。テアニンとこれらの成分が複合的に作用し合い、健康促進やストレス軽減、美容への効果をもたらすことでしょう。
水出し茶は、テアニンを含む様々な成分を効果的に抽出することができる手軽で美味しい飲み物として、日常の癒しや健康習慣の一部として取り入れることができます。アイスティーとして楽しむ際には、テアニンの心地よい作用と共に、茎茶の爽やかで柔らかな風味を存分に味わってみてください。
水出し茶は、茎茶の優しい風味を引き立て、季節感や気分に合わせて手軽に楽しむことができる飲み物です。淹れ方のアレンジ次第で、香りや味わいに変化をつけることが可能です。独自の工夫を加え、自分好みの水出し茶を見つけてみるのも楽しいかもしれません。簡単でありながら美味しい、茎茶の水出しは、新しいティータイムにいかがでしょうか。
茎茶の入れ方はとっても簡単なのに美味しく飲める!
茎茶は特有の特性から、熱湯でも美味しく楽しむことができるお茶の一つです。通常の煎茶が適切な温度で淹れる必要があるのに対し、茎茶は熱湯で淹れる温度に神経質になる必要がありません。
熱湯でもOKな茎茶は、急須やティーポットなどを使って手軽に淹れることができます。茎茶の場合、茎部分が主成分であるため、通常の茶葉よりも苦味や渋みが少なく、穏やかで飲みやすい味わいが広がります。このため、温度に神経質になることなく、手軽に美味しい茶を楽しむことができるのです。
朝、仕事や学校に急いで出かけるときや仕事の時間の無い時の休憩などで、急いでいるときや煮出す時間を気にせずに、熱湯でサッと淹れて飲むことができるのが茎茶の利点です。手軽さと美味しさが融合した茎茶は、忙しいシーンでもリラックスしたひとときを提供してくれます。茎茶なら、熱湯で淹れる手軽さと美味しさを同時に手に入れ、忙しい日々の中でも心地よいティータイムを楽しむことができるでしょう。
茎茶のカフェインの量は煎茶よりも少ないので気にする人にはオススメです!
茎茶(くきちゃ)は、日本の伝統的な茶の一種で、煎茶の茎を使用して作られるお茶です。通常、煎茶は茎を取り除いて茶葉だけを使用しますが、茎茶は茎を主要な部分として利用するため、茎茶には独自の風味があります。
茶葉に含まれているアミノ酸成分のテアニンは旨味成分ですが、このテアニンは陽が当たると苦み成分のカテキンに変わります。ところが茎がメインの茎茶は葉っぱで覆われているため、陽があたりにくく、旨味成分のテアニンがそのまま残っているんです。
濃く出しても決して苦くなく、むしろ甘みをしっかり感じることができます。
カフェインは一般的に茶に含まれる刺激物質で、煎茶にも含まれています。しかし、茎茶のカフェイン含有量は煎茶よりも低い傾向があります。
茎茶は茎の部分を主に使用するため、茎自体には茶葉に比べてカフェインが少ないです。そのため、カフェインを控えたい人や敏感な人々にとって、茎茶はより適した選択肢となることがあります。
参考文献 (茶研報78:61~65,1993)
またカフェインの興奮作用を茎茶にいっぱい含まれているテアニンが抑制してくれます。カフェインは含まれていますが、就寝前でも安心して飲むことができます。
茎茶・棒茶・かりがね茶の違いは?
「茎茶」も「棒茶」も「雁が音茶(かりがねちゃ)」も「白折茶(しらおれちゃ)」も、同じお茶の事を指します。「茎茶」のことを「棒茶」と言うのは、茶農家や茶商人が「くきちゃ」と言うよりは「ぼーちゃ」のほうが言いやすいからです。もちろん茎の部分が棒のように見えるからですね。「雁が音茶」は主に京都で呼ばれています。渡り鳥の雁(がん)が海を渡って飛んでいくとき、足に小枝をつかんで、海の上に浮かび休憩している姿から、茎の部分を小枝に模してと言われています。「響きも京都らしいですね。白折茶」は九州で呼ばれている。茎が白いからというわけですが、深むし茶の茎は普通蒸し茶の茎ほど白くありません。白折茶の水色は棒茶にくらべ緑色が薄いのが特徴です。
旨味成分テアニンがいっぱいの茎茶は、熱湯でも手軽に淹れることができ、忙しい日々でも気軽に楽しめる点が魅力です。また水出しでも安らぎ効果が期待できるテアニンをいっぱい摂ることができます。皆さんも、ぜひ茎茶を試してみてはいかがでしょうか。