合成肥料、農薬に依存しない茶農家さんを訪ねて 2/3

11月22日、川根本町にある静香農園・小西さんを訪問しました。小西さんは、合成肥料、農薬に依存しないお茶の栽培に取り組んでいます。

小西さんの農園

「ここ川根本町は、まだまだ自然が多く残っていって、虫は、無農薬の茶畑に集まるんじゃあなくて、まわりの山にけっこう、飛んでってくれるんですよ。」なるほど、一面茶畑が広がっている牧之原台地で、農薬不使用栽培するのとは、条件が違うんだとわかりました。「でも、まわりの茶農家さんには、気を使いますよ。」と苦笑いの小西さんです。

「ここ、イノシシが掘り返した場所。無農薬栽培の証ですかね。」とお話くださった場所。
無農薬だからこそ出没のイノシシです。

イノシシが掘り返した茶園

「ここが在来品種を育てている場所です。これで5年目なんです。」
在来品種とは、ミツバチなどの虫たちによって自然交配された茶の実(種)から育った、日本古来の茶樹のことをいいます。それに対して、やぶきた品種のように、日本古来の実生在来茶園の中から優れた品質の枝を選抜し、挿し木をして増殖させてたものが品種改良のお茶です。在来種はお茶本来の素朴で深みのある、個性豊かな味わいをたのしむことができます。

在来種

「これが香駿です。かおりがいいんですよ。」

香駿

香駿は「くらさわ」と「かなやみどり」を親にもつ、桜のような香りのする品種です。小西さんのご自宅で飲ませていいただいたお茶です。静岡県では、やぶきた品種が圧倒的に多い。でも、昨年私たちがナチュラルフレーバーティー部門で審査員特別賞を受賞した、日本茶AWARDで、品種のお茶の香りが一般の消費者から評価を受けているのも事実。多様化の時代、個性豊かなお茶が求められていると感じています。

小西さんの無農薬栽培説明

「森に囲まれているんで、カイガラムシも全然こないですよ。」農薬を撒かなくっても、茶の樹は病気にならない。この事実が合成化学農薬や、肥料に頼らない栽培を続けている原動力となっている。そして、安心、安全なものを届けたいという信念が、いろんな手間をかける苦労も厭わない力となっている。この場所に来ないとわからない瞬間でした。
自然栽培の茶農園は、ほかの場所にあります。車に乗せていただき、案内いただきました。次回の茶柱通心ブログでお伝えします。