大井川ゼミナール「お茶のこと 知っチャおう!」

お茶のl酵素の話

1月22日大井川ゼミナールが開催されました。今回で2回目です。10の講座、その道のプロフェッショナルが、技や知識を楽しく伝えます。山一園は発酵のお話をしながら、いろんなお茶を飲んでいただきます。

大井川ゼミナール

今回説明に選んだお茶は不発酵茶の煎茶、半発酵茶のウーロン茶、完全発酵茶の紅茶。この3種類、色や香り、味が違っていますが、もとは同じお茶の樹からできています。ではどこで違いがうまれたのか?お茶の製造工程が違います。キーワードは「発酵」。お茶の発酵について簡単にお話しました。茶葉には渋みを感じるタンニンが含まれていて、これを酸化させることをお茶の発酵といいます。茶葉を天日干しや棚で乾燥させたり、揉んだりすることで、酸化酵素を活発にさせます。発酵が進むと、葉緑素が壊され、緑の色から褐色へと変わっていきます。香りのいろんな成分が増えて、特徴ある香りを楽しめます。渋みとコクの変化も発酵の進み具合によって変わってきます。
煎茶・緑茶は不発酵茶。茶葉を摘んだらすぐに蒸気で蒸して、発酵を止めます。なので、いつまでも緑色のお茶を飲むことができます。空気にずっとふれると、だんだんしっけてきます。これも発酵の状態ですね。
ウーロン茶は半発酵茶。ゆっくり発酵を進めていきます。茶葉の発酵を熱を加えることで途中で止めます。ウーロン茶の製造過程は、天日干しの天日萎凋。室内で棚を使って冷やす室内萎凋。葉をドラムに入れ回転させ、葉をこすり合わせることによって発酵させる回転発酵。そのあと発酵を止めるのは、釜炒り。大きな窯に茶葉を入れ、炒ります。ここまでが発酵に関する作業です。この後、揉捻といって茶葉に圧力をかけ、茶葉含有水分量を均一化したり、茶葉の形を整える締め揉み、そのあとの玉解き、水分量を少なくするための乾燥作業を行いウーロン茶の荒茶が出来上がります。
紅茶は完全発酵茶。手作業を機械化したオーソドックス製法について、お話します。生葉には水分が70%以上含まれてます。これを半分くらいの水分量にするために、摘んだ葉を網や麻布でできた遺著棚に広げ、日蔭干しにして萎凋させます。これが自然萎凋です。今では萎凋漕と使い、大量の温風を送っての、人口萎凋が主流です。次に揉捻作業を行い、茶葉の細胞組織を壊し、茶葉に含まれる酸化酵素成分を空気に触れさせ、発酵を進めます。このとき、カテキン、葉緑素などが発酵し、紅茶独特の香り、コク、味を形成します。揉捻で丸くなった茶葉をほどく玉解き。平均的に酸化発酵を進めます。このあと茶葉を薄く広げた発酵室に入れ発酵を進めます。室温25度前後、湿度90%前後。時間は2~3時間ぐらいでしょうか。この段階で、緑色から褐色に変化します。ただ発酵が進みすぎると、香りや味が損なわれるので、次の乾燥作業で発酵を止めます。以上が発酵に関したお話です。

発酵の話

お話のあとお菓子をいただきながら、実際に煎茶、ウーロン茶、紅茶を飲み比べていただきました。今回は、特別にドライフルーツと紅茶でつくったフルーツティも試飲です。「香りがいいわねぇ」「お砂糖なくても自然の甘さ、感じるわ」「見た目にも素敵」うれしい感想、いっぱいいただきました。

うれしいといえば、山梨県笛吹市から佐野さんファミリー,そして静岡市の望月和恵さんがお見えになり、講座に参加してくださいました。びっくり、びっくりでした。佐野さん、望月さん。、ありがとうございました。

佐野周一

今回で2回目の大井川ゼミナール。講座参加者から教わることもいっぱい。「説明で酸化という言葉、使わないほうがいいですよ」「うっ、苦い!」一回目のフルーツティの感想。そうです、ティーバックの抽出時間が長すぎました。これから営業活動でもお客様にお茶、説明ながら飲んでいただくことも多いと思います。今回の経験を活かして、もっともっと『易しく優しく』を心がけTRYします。
参加してくださいました皆様、ありがとうございました。また次回の機会には、多くの皆様のご参加、楽しみにしております。