日本茶の新しい香りをもとめて

平成27年2月25日 静岡県農林技術研究所茶業研究センターの平成27年度研究成果発表会に

参加しました。

静岡県農林技術研究所茶業研究センター(菊川市倉沢)は、地域に適した品種の開発や茶園管理の省力化、環境保全、

茶加工技術等に関する研究を行っています。

13時からの研究発表会の前に、研究成果のパネル展示を見たり、様々なお茶の試飲をしました。

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りんごに、フジ,サンフジ,ツガル,王林, シナノスイートなどいろんな品種があるように、お茶にも品種があります。

日本茶の代表的品種は「ヤブキタ」です。甘みのある濃厚な味と優雅な香りが特徴です。

静岡県では「ヤブキタ」に代わる、新しいお茶品種を推奨しています。いろんな嗜好の変化に対応することが

必要となってきました。

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「ゆめするが」は個性的な香りの品種「おくひかり」を母親、「やぶきた」を父親として交配した品種です。

平成27年に静岡県奨励品種に採用されました。

水色がとてもきれいなのが第一印象。渋み苦味が少なく、香りまろやかです。

このあと、研究会会場に移動しました。

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13時から16時までの研究成果発表会。「品種茶の利用促進」「多様なお茶の開発研究」「茶の防除関連情報」と

いろんな成果を、数字、実証結果を交えて説明していただきました。

今回参加したいと思った一番の理由は、『茶生葉の香気発揚の関する品種特製評価の試み』というお話を聞きたかったこと。

お茶の香りのこと、もっともっと知ってそれを製品にしていきたい。そのための情報収取です。

お茶の品種による香気の違いもありますが、製造方法によって、お茶の香りに特徴づけができます。

一番わかりやすい例が紅茶。緑茶は不発酵茶といって、酸化させない製造方法です。お茶を空気にふれたままにすると

だんだん茶色になって、緑茶本来の美味しさ、香りを失ってしまいます。

その反対にあるのが、紅茶です。紅茶は完全発酵茶。酸化させて、その特徴となる香りや味を引き出します。

この発表では、発酵過程での萎凋(いちょう・茶葉に含まれる水分量を減らす)によっての香り変化を系統的に

説明してくださいました。

香りを数値であらわすことは難しく、官能検査による評価。どの品種が萎凋によって香り特性に優れているのかのお話。

知らなかったことがいっぱいでした。

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農家ではない私、なかなかお茶の樹にむきあう時間や、触る時間は少ないのが現実。そんな私でも

とてもわかりやすい、理論的なお話。これから私が取り組むお茶づくりに、とっても役立ちました。

学んだこと、カタチにしていきます。