お茶の品種と発酵について~大井川公民館女性講座~

2021年1月22日(金)大井川公民館で女性講座の講師をしました。

昨年9月頃お話をいただき「頼まれごとは試されごと」、講師をお受けしました。さて話す内容ですが、2020年12月13日山一園製茶店舗のリニューアル。お客様にお茶のワクワク、楽しさをもっと知っていただきたいという思いで、イートイン&テイクアウト併設。そうだ、このことを話そうと決めました。

茶飯事 さはんじ 茶を飲みご飯を食べる生きていくうえで当たり前のこと。普段ご飯食べるとき飲むお茶も、いつものようにいつものお茶で。でもたまには、いつもと違うお茶を飲むのも、新しい発見があって楽しいことです。「この香り、すごい!」「何とも言えない甘み、感じる」ワクワクするお茶との出会い。このようなお茶がこの静岡で栽培されています。

ここからが本題。同じ静岡のお茶なのに、なぜ香りや味の違いが生まれるのでしょうか?ひとつがお茶の品種の違い。ふたつめが発酵の違いです。

1.お茶の品種
静岡で飲まれているお茶の90%以上はやぶきたという品種です。同じ品種なので、茶葉を摘んだとの蒸気で蒸す時間が長いか短いかでの、香りや味の違いはあるものの、似たようなお茶を飲んでいるこ
ととなります。ところが違う品種のお茶だと、全く違う香りや味のお茶を飲むことができます。このことをチャートにしました。

茶農林登録品種だけでも約60品種。それぞれに特徴のあるお茶です。いつものやぶきた品種と違うお茶を飲んでみるのも、楽しい時間です。

2.発酵
お茶の葉には酸化酵素が含まれています。その酵素の働きを抑えたり、活発にさせるかによって、お茶の香りや味が変わります。

緑茶は収穫した茶葉を蒸気で蒸すことによって発酵作用を完全に止めてしまう不発酵茶です。水色が黄金色や濃緑で、新茶の香りがするのはこのためです。

紅茶は茶葉を日陰干しにして、生葉を萎れさせる萎凋(いちょう)をします。内部成分の変化が始まり、圧力をかけてむ揉捻(じゅうねん)、発酵室での発酵をすすめる、完全発酵茶です。

ウーロン茶は緑茶と紅茶の発酵過程のまんなか、半発酵茶です。厳密には発酵の時間、程度により、中国では茶葉の色によってウーロン茶の分類もされています。
この発酵の程度によって香りと味がぐんと特徴づけられます。

今回の女性講座ではこの品種と発酵の違いによってワクワクするお茶を受講者の皆さんにお飲みいただきました。最初はミルフルールです。

大井川上流の川根本町で栽培された農薬不使用のお茶です。ミルフルールとはフランス語で千の花の意味。香駿の持つ気品ある香りを、微発酵により、さらに引き出したお茶です。

次はベニウーロンです。

静岡安倍川上流の本山で栽培されたべにふうき品種を、台湾式製造方法でウーロン茶に仕上げました。静岡の土壌、日本人向きのお茶に仕上げられたベニウーロンは、さわやかな香りが特徴です。

コロナ対策として受講者を3つのグループに分け、それぞれ順番にテーブルに取りに行くという方式でした。

ミルフルール、ベニウーロンは12月にリニューアルオープンした山一園製茶店舗、山一茶房でスイーツと一緒に飲むことができます。

いつものお茶もおいしい。そう、静岡にもおいしいお茶がいっぱいです。そんな中、いつもとは違うお茶を、気軽に飲んで、ワクワクを感じていただきたい。女性講座が終わった後の受講者の皆さんの笑顔にあらためて、その思いが強くなりました。