新茶と番茶の違いについて

Facebookや、実際にお会いしての交流もある白井さんから、以前こんなコメントをいただきました。
「すみません。新茶も番茶も違いが分からない輩も多いと思います。
そこの違いを分かりやすく伝えると良いかと思うのですが。」
たいへん遅くなってしまいましたが、お答えします。

新茶と番茶の違い

1.お茶の葉を摘む時期が違う

お茶を摘む時期によって、呼び名が違っています。例年の静岡(茶産地が東西に広がっているので摘採時期にも幅があります)では 一番茶・・・4月中旬~5月中旬  二番茶・・・6月中旬~7月中旬(一番茶摘採後40~45日後)  三番茶・・・7月下旬から8月上旬(二番茶摘採後35~40日後)  四番茶・秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)・・・9月下旬から10月上旬
*秋冬番茶とは三番茶を摘まずに、秋になって摘んだお茶のこと
ご質問のあった新茶は一番茶のことで、その年に初めて摘むお茶、旬のお茶、という意味合いもあって、新茶と呼ばれます。販売にたずさわるものとして、一番茶の販売です!というよりも新茶の販売です!といったほうが売りやすい、わかりやすいという思いもあります。

新茶 山一園製茶

新茶 山一園製茶

番茶に関しては、おおまか4つの区分があります。
1.一茶番・・・一番茶で手摘みをした後伸びた葉や機械で収穫した後の遅れ芽を摘採したお茶。番茶の中では良質なお茶です。
2.秋冬番茶・・・先ほど補足したとおり、三番茶を摘採しないで、枝葉を伸ばしたものを秋のなって摘採したお茶。
3.頭(あたま)・・・お茶の仕上工程ででてくる、柳の葉のように扁平したお茶を集めたもの
4.地域独特の番茶・・・京番茶や阿波番茶。あるいは北海道、東北では、ほうじ茶も番茶と呼んでいます。
番茶の語源として番外茶、晩茶などあるそうです。

秋冬番茶

2.茶葉に含まれる成分が違う
新茶には旨み成分のアミノ酸がいっぱい含んでいます。お茶に含まれるアミノ酸の半分以上はテアニンです。テアニンはお茶独特の成分で、ツバキ科ツバキ属のチャノキだけに含まれています。ツバキやサザンカには含まれていません。
このテアニン、若い芽のほうがより多く含まれていて、新茶がおいしいのはこのためです。逆に苦み成分のカテキンやカフェインは二番茶、三番茶と成熟した茶に多く含まれていきます。ここに新茶と番茶の味の違いが生まれてきます。また新茶ならではの香りは若い茶葉ならではの香りでもあります。

新茶 山一園製茶

秋冬番茶にはポリサッカライドという多糖類が多く含まれています。このポリサッカライド、血糖値を下げる効果があるといわれています。ポリサッカライドは熱に弱いため、冷水で淹れることが効果を上げるポイントです。

秋冬番茶 山一園製茶

以上新茶と番茶の違いについて私の知ることを書きました。新茶には新茶のよさ、番茶には番茶のよさがあります。多くの方に日本茶の美味しさ、もっともっと知っていただきたくて、白井さんのご質問にお答えしました。こらからもいろんな質問ございましたら、お聞かせください。