世羅茶を体に、心に

広島県瀬戸田で農薬や化学肥料を使わず、しまなみレモン、ベルガモットオレンジ、ベルガモットなどを栽培している能勢賢太郎さん。能勢さんとのご縁で広がった、ひろしま食べる通信。2か月に一度、広島県の食とそのつくり手の思いが届きます。2018年7月、世羅在来茶と初めて対面しました。

初めて知った世羅茶、在来種です。在来種のお茶は種子から育ったお茶、実生在来茶です。今は、品質の優位性、病害虫や遅霜にも強いなど、いろんな面から挿し木や取り木をして品種改良をしたお茶がほとんど。同じ品種茶は同じ香りや味の特徴を共有しています。それに対して在来茶は、自然交配。香り、味ともそれぞれ個性的、自然ブレンド茶です。

左から ひろしま在来煎茶、ひろしま在来和紅茶、浜茶(番茶)です。茶葉の外観、水色とも私が扱っている静岡深蒸し茶とは全く違います。私なりの感想を述べます。ひろしま在来煎茶は一口含んだら、花のような香りを感じました。お茶と同梱の、ひろしま食べる通信を後で読んでその理由がわかりました。萎凋(いちょう)です。ウーロン茶や紅茶をつくるとき、発酵と言ってお茶に含まれる酵素を活性化させる製法をとりいれているからです。在来茶は渋い、苦いというイメージでしたが、このお茶は、スゥーッと飲め、甘みのなかに程よい苦みを感じる、何とも不思議なお茶です。ひろしま在来和紅茶は、和紅茶と海外生産の紅茶の一番の違い、自然な甘みをしっかり感じます。重い感じが全くなく、スッキリとした味わいは、どこからくるのでしょうか?浜茶(番茶)は茶葉の外観に驚きでした。日頃扱っているお茶は深蒸し茶、棒茶(茎茶)、細かい形状のお茶。鼻に抜ける香気は薬草ぽい?でも味は意外や、変な苦みもなく、さわやかさ感じます。番茶独特のクセがありません。天日干し、太陽の力でしょうか。

この世羅茶は農薬不使用、化学肥料も不使用。放任茶、ミルフルールと一緒です。お茶本来の味が活きている、活かされていると確信。世羅茶が届いたのは7月、すぐに飲んで写真も撮影。9月には、ひろしま食べる通信 仏通寺葡萄が届きました。その時、編集長の梶谷さんから、「小澤さんの世羅茶感想を」とのメール一文も。低温冷蔵庫の中の世羅茶取り出し、あらためて飲んでみました。自分の思い、お茶を通してどう伝えるかの毎日。そんな中、Tea Factory Gen 高橋さん、別府さん、西さんの世羅茶への思い感じながら書いたブログ。2か月遅れのブログですが、伝えるきっかけいただいた、ひろしま食べる通信、梶谷さんに感謝です。