日本茶のTUTAEKATA 世界初ハンドドリップ日本茶専門店「東京茶寮」~Study~

2015年1月5日(木)三軒茶屋にオープンした日本茶専門店「東京茶寮」。バリスタさんがハンドドリップで、好みのお茶を淹れてくれます。3月5日予約もなしに行ってみました.運よくOK。ゆっくり、ゆったりの時間、過ごすことできました。今回ののブログでは、「東京茶寮」さんで伺ったお話、なるほどとわかったことを中心にお伝えします。なので、「東京茶寮」さんへ行ってゆっくり、バリスタさんとお話しすることや、わくわく体験を楽しみにしている方にとっては、不向きな内容かもしれません。でもしっかり「東京茶寮」をオープンした想いも、お伝えしたいと思います。そして山一園のお茶への想いも。
東京茶寮
「どうしてここ三軒茶屋に出店したんですか?」私の反対側カウンター席に座った方の質問です。「交通の便のよさや住宅街があるので」というようなことをバリスタさんがお話していたように聞こえました。そしたら、私が名刺をいただいた谷本さん、静岡新聞に出店を統括したクリエーティブディレクターと、が「ここは三軒茶屋、お茶繋がりですよ。」と笑顔でお答え。これを聞いた私たちも思わず笑顔に。帰ってからこのこと、Wikipediaで調べました。三軒茶屋が正式な地名となったのは昭和7年世田谷区成立のとき。江戸中期以降、社寺参道ブームで賑わった大山道と登戸道分岐付近に、信楽、角屋、田中屋という三軒の茶屋が並んでいたことに由来だそうです。
「お茶屋さんが経営しているんですか」これもお向かいの方の質問。「私たちはデザイン会社で、日本茶とは縁がなかったんです」「じゃあ、どうしてこのお店を?このお店、ビジネスとしていけるんですか?」これもお向かいの方が。厳しい質問、でも私も聞きたかったことです。「実は私たちの会社では、会社さんへコーヒーのバリスタを派遣している事業をしています。社員さんに美味しいコーヒー飲んでいただいて、リラックスタイムや交流の場をつくっているんです。」私たち3人、ちょっとびっくり。そんなビジネスあるんだと。「バリスタとの話や、社員さん同士の会話の場が、会社にとっても大事なんですよ。離職率が減るんです。福利厚生事業ですね。」なるほど、そういうことだったんですね。話はまだ続きます「今回のこのお店のバリスタも、会社のコーヒーバリスタなんです。このことが、日本茶でも同じスタイルでと思って」つながりました、ハンドドリップが。「コーヒーっていろんな特徴ある豆がありますよねぇ。その飲み比べって楽しいじゃあないですか。ワインもまったく同じ。日本茶でこのスタイル決めるときにも、ワインのことも深く調べましたよ」お向かいのおひとかたの女性、ワインのことに詳しいらしく、谷本さんと、世田谷ワイン?のなんとかさん、お互いよく知っいるらしく、しばし歓談。コーヒー、ワインと共通項を日本茶に。それをスタイリッシュに表現です。
会話はまだまだ続きます。「飲み比べて楽しですよねぇ。この店の隣にコーヒーの飲み比べのお店。その隣にはワインの飲み比べのお店。そして食べ物をチョイスできるお店もできたら。すてきね」とお向かいの女性。あっ、焼津駅前だったら、磯自慢の飲み比べのお店。サッポロビールやワインの飲み比べのお店。そして鮪、鰹、サバのチョイスお店が並んだら、人が集まるかも.そのときには山一園もなにか出店したいところ.飲んでばかりではダメですね。
バリスタさんがおふたりにお茶をお出ししている間、私は谷本さんとお話できるチャンスが。
東京茶寮、谷本さん
最初の質問「ここでスタイリッシュに飲んでも家で急須ですか。静岡でさえ、急須のない家庭も増えていますから」谷本さんのお答え「ここで使っているようなハンドドリッパーを販売する予定があるんです。私は急須で飲むことや、ペットボトルで飲むことを否定はまったくしていません。お茶の需要もいろいろでいいと思うんです。ただ低迷して言われる日本茶を新しいスタイルで知っていただき、その美味しさを伝えたいんです。」中途半端ではない、とことんがあります。
ここからがお茶のお話です。
東京茶寮
「東京茶寮」さんが提供している7種類のお茶はすべて、静岡や鹿児島などの単一農家の単一品種。いわゆる「シングルオリジン」です。これに対して「ブレンド」という言葉があります。違う農家さんのお茶や、あるいは違う産地のお茶、違う品種のお茶を。ときには浅蒸し茶と深蒸し茶、火香が強いお茶と弱いお茶のように、いろんなタイプのお茶を混ぜて製品にすることです。「ブレンド」によって、常に均一な味、安定的な量を保ったり、価格も安定的にということもあるのでしょうか。それ以上にお客様が求めるお茶をつくりあげるということ。茶商の技術力がものをいいます。これに対して「シングルオリジン」は単一。飲んでいるお茶を栽培した農家さんの顔がわかります。品種の特徴がそのまま伝わります。それゆえ個性あるお茶を探し出す、農家さんにとってはつくり出すことが、大きなポイントです。谷本さんが「私はいろんな農家さんの所へ行ってきました。農家さんが育てているお茶に物語を感じました。」個性あるお茶を届けるためにも、シングルにこだわりをもっています。「私は深蒸し茶を扱っています。個性を出すのが難しいと感じてはいるんですが。」と質問。谷本さん、「深蒸し茶ですか、たいへんかも。飲みやすいけど似た感じ?」苦笑いしながらお答えです。私の名刺には深蒸し茶のこだわりが書いてあります。注いだ時の濃録の世界の感動、飲んで日本茶を感じる美味しいお茶。それが深蒸し茶。この頃特におおっていること、それは真の深蒸し茶をとは。今山一園がお届けしているお茶、自信があります。茶農家さんの顔もしっか浮かびます。でもまだまだ個性を感じるお茶を伝えなければいけません。宿題いただいた気持ちです。宿題と言えばもう一つ。「実は煎茶に果実の皮をブレンドして、香りをつけたお茶、販売してるんです。エッセンシャルオイルの噴霧のきつさではなく、ナチュラルフレーバー、煎茶の美味しさも伝えるようにしています」と切り出しました。「私もあれ、苦手ですね。期待裏切られたという感じです。でも煎茶には柑橘系果実よりお米とか豆とかがいいと、私は思っています。柑橘系果実は、半発酵茶がいいんじゃあないんですか」そういえば、5煎目にはお米を使った玄米茶が出てきました。そうかぁと思いましたが、待てよの気持ちも。農薬を使っていない広島瀬戸田の能勢さん栽培、ブラッドオレンジやベルナレモン。その香りはちょいと違います。その香りが煎茶の美味しさもグンと引き立てます。「ここで提供できるお茶探しています。ぜひご紹介ください」との言葉。大きな宿題、でもこんど答えをもって伺いたいます。
帰ってから谷本さんの名刺拝見して会社を検索させていただきました。そしたらびっくりなことがひとつ。谷本さんのこと、知っていたんです.正確には谷本さんの会社で開発した新商品のことを。その商品名は「SOLO  THEATER」ひとり映画館です。 https://www.makuake.com/project/solotheater/  だいぶ前だと思うですが、「SOLO  THEATER」をTVで紹介していました。まさか谷本さんの会社の製品とは。発想の凄さ、あらためて感じました。
今回の「東京茶寮」訪問で、山一園の商品のこと、それを伝える方法のこと.何より日本茶に対する自分の気持ちの振り返り。新しいことにチャレンジする人から得ることいっぱい。もう少しで23時。ブログを書いて自分の気持ちも整理、そしてやるべきこと明確化。「東京茶寮」ご一緒いただいたお客様、いろんなお話お聞かせいただいたバリスタさん、そして谷本さん、本当にありがとうございました。