子どもにお茶の入れ方を教えることから学んだこと

もう5年目ぐらいになるのでしょか、年に2回、大井川南小学校で、小学1年生、2年生を対象にお茶の入れ方を話しています。茶柱通心で2017年1月 、2017年9月2018年7月2019年7月2020年1月2020年8月とその時の様子をアップ。私は子どもたちが自分で入れたお茶の感想を、毎回必ず聞いています。冷たいお茶ではないのですが、お湯で入れたお茶の時、「おいしいー」っていう声にまじって「苦かった」っていう感想も。茶葉の量が多すぎ?抽出時間が長い?そもそも茶葉の問題?どんなときにも子どもたちが、お茶っ葉を急須で入れると、こんなにおいしいんだって知ってもらいたい、そんなことを思い、8月の氷を使ったお茶の入れ方教室の前に、店で実際に茶葉の量、抽出時間を変えて実施してみました。

ひとテーブル子ども4人+大人1人分=5人 茶葉の量3gか5g  抽出時間 1分か2分  最初3gでお茶を入れてみました。

このあと氷をいっぱい入れて

次に水を注いで1分待ちます。

氷水出し茶もお湯といっしょで、1→2→3→4→5 と湯呑に少しずつ注いでいったら今度は5→4→3→2→1 と戻って注ぎます。

3g、1分ではしっかり出ません。しかしここでわかったことが。茶葉の量や抽出時間ともう一つの要因。それはふたの押さえ方です。

私たち大人はふたを親指で押さえることができます。するとお茶を注ぐときの角度がしっかりとれて勢いよくお茶が出ます。戻せば急須の中もしっかりとしたお湯の流れが生まれ、次に注ぐときに濃いお茶が出ます。

ところが子どもたちへは、急須のふたを左手で押さえて注ぐように教えます。そうすると指で押さえる時より角度が浅く、勢いよくお茶がでません。戻しても急須の中の流れが生まれず、濃くなりません。恥ずかしながらこのことに初めて気が付きました。
当日は左手でふたを押さえる。このこと守って茶葉の量を5gに。抽出時間を2分と決めました。大人にとっては、もっと長く抽出してもっと濃いお茶を飲みたいとなるかもしれません。しかし普段急須で入れたお茶を飲みなれていない子どもにとって、大人の旨味は渋さ、苦さと感じるのかもしれません。

子どもの立場でお茶を入れてみる。大人は濃いお茶が飲みたければ、急須をゆすったり、力強く注ぎきることができます。でも子どもはやりませんね。お茶の旨さ、濃さって、茶葉量、抽出時間の数値では確定できない難しさがあります。これはお茶を買っていただいたお客様がどんな人と、どんな時にお茶を飲むかを考えながら、お茶のアドバイスをすることにつながる気がします。けっしてマンネリにならず、気付きをもらいながら、いろんなことに取り組ませていただきます。