山一園製茶では、新茶棒茶の原料「電棒」を仕入れると、まず茎の「みるさ(柔らかさ)」を手で確かめます。原料の状態は毎回同じではないため、手触りや見た目でつかんだ情報を、その後の選別や火入れの判断につなげるためです。
最後の火入れも、あらかじめ決めた一つの温度だけで終える仕事ではありません。棒茶を試飲し、香りや水色を確かめながら設定温度を調整します。
棒茶の原料「電棒」とは
電棒(でんぼう)は、荒茶から選別される、茎を含んだ棒茶の原料です。新茶の収穫が進み、茎を含む原料が集まり始めるころ、山一園の新茶棒茶づくりも本格的に動き出します。
集めた電棒は品質ごとに分け、廻し(まわし)と呼ばれる機械でふるいにかけます。粉や毛葉(けば)を取り除きながら、人の手と目で状態を確かめるのが山一園製茶のやり方です。商品になる茎をできるだけ傷めずに加工するため、手間をかけて進めます。
最初に確かめるのは、茎の「みるさ」
電棒を手にしたとき最初にチェックするのは、茎の「みるさ」です。「みるい」は、この地域で柔らかいことを表す言葉です。
同じ電棒でも、水分量や形、手に伝わる感触は一様ではありません。指でつまんだときの柔らかさを確かめ、見た目だけでは分からない原料の状態をつかみます。
手触りの確認が火入れの判断につながる
山一園の公式ページ「棒茶ができるまで」では、電棒に触れたときの感触から水分量や香りを感じ取ることが、最後の火入れ温度を考える判断材料になるとお伝えしています。
火入れは、棚式の乾燥機とドラム式火入機の二段階です。棚では少量ずつ均一に乾燥させ、その後はドラムの回転を使って火を入れます。乾燥機の温度や動かす速さを調整しながら、その年の電棒や当日の気候、湿度に合わせて仕上げます。
火入れは試飲しながら調整する
最後の火入れで特に注意しているのは、棒茶のみずみずしい香りを引き出すための温度設定とのことです。
ただし、温度は最初から一つの数値に固定するのではありません。火入れを進めながら棒茶を試飲し、その結果に応じて設定温度を調整します。公式ページにも、水色や香りを何度も確かめ、乾燥機の温度や速度を微調整する工程が記されています。
火入れ温度を一つの数字で示せない理由
原料の状態や作業日の気候・湿度が変われば、必要な調整も変わります。山一園製茶では、固定温度に当てはめるのではなく、目の前の棒茶を見て、試飲して判断します。
そのため、確認できていない具体的な温度や前年との差は、この記事では記載していません。
「いつもの味」を届けるための手作業
手作業を続ける理由は、時間をかけること自体ではありません。その年の原料に触れ、状態を確かめながら仕上がりを判断するためです。
電棒を集めて品質ごとに分け、手と目で確かめる。最後は試飲を重ねながら火入れを調整する。新茶棒茶を待つ方へ「いつもの味」を届けるために、山一園製茶ではこうした仕事を続けています。
ふるい分けから火入れまでの工程は、山一園の「棒茶ができるまで」で写真とともに紹介しています。
仕上がった棒茶を選びたい方は、山一園の棒茶(茎茶)商品一覧をご覧ください。
棒茶とほうじ茶の違いを知りたい方は、棒茶とほうじ茶の違い|香り・味・選び方をお茶屋がやさしく解説も参考になります。
よくある質問
「みるい」とはどういう意味ですか?
この地域で「柔らかい」ことを表す言葉です。山一園では、電棒を仕入れたときに、まず茎の「みるさ(柔らかさ)」を手で確かめます。
火入れ温度は何度ですか?
一つの固定温度ではありません。火入れ中に棒茶を試飲し、その結果に応じて設定温度を調整します。確認できていない具体的な数値は記載していません。
なぜ手作業で確認するのですか?
原料の状態を手と目で確かめ、その後の選別や火入れの判断につなげるためです。商品になる茎をできるだけ傷めず、粉や毛葉を取り除く目的もあります。




